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2月3日:旅で出会った石笛たち③

石笛倶楽部」の旅(平日コース)で出会った石笛を紹介します。
今回は青灰色の石笛黒くて重いノジュールの石笛です。


それ以外の石笛 
色も形もさまざま(串本の石笛の特徴です)



青灰色の石笛は「月光」の石笛より落ち着いた音色。
瓦質泥岩の石笛は粒子が粗く柔らかいので「尖り」のない音色。
ノジュールは泥岩中の化石などから石灰分が染み出して丸く固まった重くて硬い石。
鋭く尖った「破邪の音色」が特徴です。不動明王のBGMにバッチリ?




●青灰色の石笛

青灰色の石笛1 
吹口径:9.2ミリ 深さ:17.2ミリ(イシマテガイ)
吹きやすさ★★★★★
操作性  :★★★★★
音色   
★★★★★★
見た目  :★★★★★
基準音程 :C7〜C#7

総合評価 :★★★★★★
青灰色の姿が美しい石笛。うっすらとヒビがある(残念)。
吹口は小さいものの「ペンシルキャップ」というほど深くないので表現力ゆたか。
(「ペンシルキャップ」の目安は「深さ」が「吹口径」の2.5倍以上)
初心者にも音が出て音程・音量のコントロールが自由自在。
上級者には「飛天奏法」が楽しめ吹き飽きない最高の石笛です。
柔らかい音色ながら高次倍音が強く、静かに吹いても耳にビリビリ響く。
「昇天系」の「鎮めの石笛」。
この記事を書きながら同じような青灰色の石笛と吹きくらべているけどアチラはやや「男性的」。コレの方が「華やか」(最高にシアワセな「吹きくらべタイム」)。
逆から吹くとすこしキツい音色になって強烈な「清め」の石笛。
守山ががんばるとE5〜F7まで出る。遊ぶならG#6〜D7までが楽しい。
この石笛は「守山より上手な人」に吹いてもらいたいなぁ!!





青灰色の石笛2  
吹口径:16.4ミリ 深さ:16.2ミリ(カモメガイ類)
吹きやすさ
★★★★
操作性  :★★★★
音色   
★★★★★
見た目  :★★★★★
基準音程 :B♭6〜B6

総合評価 :★★★★★
青灰色の石に浅い穴が残った「浅穴」タイプの石笛。
(「浅穴」の目安は「深さ」が「吹口径」以下)
これだけ浅いと初心者には音が出ない。縄文人も吹かなかったと思うし、石笛に慣れた人でも「これが石笛?」と驚くかも。守山の好きなタイプなんだけど人に「プレゼント」するのは難しいです。
そんな石笛を「なぜ喜んで持ちかえるか?」というと「音色が美しいから」。
「浅穴」の石笛は内部空間が狭いので「相対的」に「唇」の面積が広くなる。そのため音色はやわらかくなり、唇を動かした時の「音程の変化」も大きくなります。
「2オクターブを越える音域」を持つ石笛も多いです
(遊べる庭は広い方がいい!!)。
この石笛を写真下から吹こうとするとエッジが欠けています。下顎に接する部分も形がイビツ。一見すると吹きにくいように見えるけど、吹口径がちょうどいいサイズで唇を「遊ばせやすい」です。
音量・音程のコントロールも容易。
静かに吹けるけど大音量は出にくいので「飛天奏法」というほど自由自在じゃない。
ただ音色は青灰色石笛独特で美しい。やわらかくて倍音が強めの気持ちいい音色です。
守山ががんばればB5〜F#7。遊んで気持ちがいいのはG6〜D7。
逆から吹くと倍音がキツめの「月光っぽい音色」になる。
守山ががんばればD6〜F#7。遊んで気持ちがいいのはF#6〜E♭7。
ただ石笛としては大きすぎ(音色はいいんだけどネ)。





●瓦質泥岩の石笛(浅穴)

瓦質泥岩の石笛1 
吹口径:15.3ミリ 深さ:12.2ミリ(カモメガイ類)
吹きやすさ
★★★★
操作性  :★★★★★
音色   
★★★★★
見た目  :★★★★★
基準音程 :C#7〜D7F#6〜G7B♭6〜E7

総合評価 :★★★★★
「瓦質泥岩」というのは地学用語ではない。「見た目」と「質感」が瓦ソックリなのだ。
海岸には「本物の瓦」も落ちているのでヤヤコしい。
「浅穴」なので初心者用ではないけど吹口が唇をあわせやすいサイズなので守山は平気。
音色は「月光」に近いのかなぁ?
  倍音が強い美しい音色。静かに吹いても大音量。
守山が無理をすれば?F#6〜G7まで出る。遊ぶならB♭6〜E7まで。
「B♭以下」と「E7以上」がかすれやすい。使いにくい音域に挟まれた感じ。
石笛として「見た目」は安っぽいけど音色は一級品。






瓦質泥岩の石笛2 
吹口径:8.8ミリ 深さ:11.6ミリ(カモメガイ類)
吹きやすさ
★★★★★
操作性  :★★★★
音色   
★★★★★★
見た目  :★★★★★
基準音程 :F#7〜G7

総合評価 :★★★★
「浅穴」というほどでもないが吹口が小さく「上級者」向け。
唇がバッチリ決まると操作性のいい石笛だということがワカル。
わずかに唇を動かすだけで音程が変わるし、少ない息で音量も変わる。
「飛天奏法」を楽しむために生まれた?吹き飽きない石笛だけど、ちょっとでも唇がずれるとコントロールできなくなる(難)。
音色は最高級!!
柔らかい音色ながら高次倍音が強く、静かに吹いても耳にビリビリ響く。
「昇天系」の「鎮めの石笛」。
守山が無理をするとB5?〜B7(チューナーが低音に反応しない)。
気持ちいいのはD7〜G#7。
長径が51ミリ。厚さが15ミリしかない「ペンダントサイズ」。
「姫君が肌身離さず持ち歩く」石笛(うっかり踏むと絶対割れる)。
見た目は「貧相」(悲)。

















●ノジュールの石笛

ノジュール石笛1 
吹口径:8.4ミリ 深さ:20.5ミリ(イシマテガイ)
吹きやすさ
★★★★★
操作性  :★★★★★
音色   
★★★★★
見た目  :★★★★
基準音程 :B6〜C7

総合評価 :★★★★
「ノジュール」というのは泥岩中の化石などから石灰成分がしみ出して固まった石。
硬くて重いので音色は鋭く迫力ある「払い」の石笛になるものが多い。
基音と高次倍音が強烈で、その「音色」を「色」で表現するのに困っていたが食器を洗っていてステンレスのシンクを見て「こんな色かな?」と納得。「強烈な金属光沢」の色。
「演奏用」というより「神事用」。能管の「ヒシギの音」のような効果音にも最適。

この石笛はノジュールがまっぷたつに割れたもので裏面は「平ら」になっている。
吹口が小さく深さがある。そのため初心者にも鳴らしやすい石笛。
「ペンシルキャップ」にならない深さのため操作性もよく表現力も充分。
音量のコントロールもできるので「飛天奏法」とまではいかないが吹き飽きない魅力も。
音色は若干青みがかった「鉛色(光沢あり)?」。
倍音が強くて鼓膜がビリビリする「払い」の石笛。
パワフルに吹いても「いかにも石笛」というサウンドになるが静かに吹いても鼓膜がビリビリする美しい音色になって味わい深い。
守山が無理して吹けばB5〜E7。遊ぶならF6〜C#7まで。
割れているので「座り」がよく机の上に置いても安定感バツグン!!
いい石笛に間違いないデス。






ノジュール石笛2  
吹口径:9.0ミリ 深さ:17.7ミリ(イシマテガイ)
吹きやすさ
★★★★★
操作性  :★★★★
音色   
★★★★
見た目  :★★★★
基準音程 :E7〜F7

総合評価 :★★★★
この石笛も半分に割れたノジュール(上の石笛とソックリ)。
割れているけどヒビ一つない!!(変な話だけど…)
穴も似たサイズなので初心者でも鳴らしやすい。
けっこう遊べるが低音域が出にくくて音域は狭くなる。
音色はコインの「ニッケル色?」。倍音が強くて「白っぽい」。
すこし唇をかぶせ気味に吹いてF7を基準音程にすると落ち着いた美しい音色が出る。
唇をかぶせないでF7を基準音程にすると倍音が強烈なキツイ音色。
「上級者」が静かに吹いた時の音色は一級品。そういう意味では「清め」の石笛。
守山ががんばって吹くとC7〜B♭7。気持ちがいいのはC#7〜G7程度。
上級者向けの「神事用」石笛。





●頁岩(珪質泥岩)の石笛

頁岩の石笛1 
吹口径:9.6ミリ 深さ:15.8ミリ(イシマテガイ)
吹きやすさ★★★★★
操作性  :★★★★★
音色   
★★★★★
見た目  :★★★★★
基準音程 :E7〜F7
総合評価 :★★★★
「頁岩」というのは石器などにも利用される硬い石。ノジュールより割れやすいです。
泥岩に石灰分や珪質成分がしみ込んで硬くなったので新しい用語では「石灰質泥岩」
「珪質泥岩」と改められました。塩酸をかけて泡がたてば「石灰質泥岩」だそうです。
でも石笛に塩酸をかけるわけには…
ということで守山は従来通り「頁岩」と呼んでいます(頭の古い人間なので)。

この石笛はヒビだらけ。頁岩の「節理」は簡単には割れませんが新しいヒビもあります。
吹口は小さく深さもほどほど。初心者にも鳴らしやすいサイズです。
唇のあわせ方ですこし吹きにくく感じることもありますが気になるほどではありません。
硬い石にキレイな穴があいているので音程・音量のコントロールが容易。
静かに吹くことのできる「上級者」には「音色の美しい石笛」です。
音色は倍音の強烈な「ステンレス?」。鋭い刃物のような音色の「払い」の石笛です。
「明るさ」より「迫力」が勝っています。
逆から吹くと倍音が強くなってキツい音色になります。
これだけヒビがあると「神事」には使いにくいですが、手頃なサイズで練習用に。
ノジュールの石笛2個と頁岩の石笛は「神事」らしい音色の石笛です。神社関係者で石笛を学びたい人にさしあげたいですね。





●オマケ(悲)

ノジュール石笛3 
吹口径:11.2ミリ 深さ:17.0ミリ(イシマテガイ)
吹きやすさ
★★★★★
操作性  :★★★★★
音色   
★★★★★
見た目  :★★★★★
基準音程 :E7〜F7

総合評価 :★★★★
この石笛もノジュール。写真右上に毛細血管のような硬い成分があって「化石カモ」とついつい持ち帰ってしまった(反省)。石笛としてはB級品。
吹口が斜めになった「斜孔石笛」を「鋭角」に吹く。「鈍角」は吹きにくい。
音色は鋭くやかましい「破邪」の音色。イメージは「刺身包丁(ちょっとサビ色)」。
「これこそ石笛だ!!」という人も多いと思うけど守山がめざしている世界ではない。
「ヒステリックにピーピーやかましいだけ!!(個人の感想)」
操作性も悪く静かに吹こうとすると音がかすれてしまう。
音域は守山でA6〜A7。吹くならE♭7〜F#7の範囲で。
上の頁岩の石笛とほぼ同じ音域だが「気持ちよさ」は雲泥の差。
写真では隠れているが右端にも穴があって吹くことができる。
さらに高いF#7〜G7。唇をあわせにくくて操作性もイマイチ。
斜孔の吹口は初心者向きじゃないし上級者には「気持ちいい石笛」を吹いてほしい。
やかましい音で「ピーピー」鳴らして「ドヤ顔」するヤツにあげるのもなぁ…

なんでこんなの拾ってきたんだろ。まだまだ未熟だねっ。




今回の「旅」はひさしぶりの一人旅。2日目は天気が崩れたのですが石笛探しを堪能できました。欲しかった貫通孔で「ラッティングコール」ができる石笛が8個。貫通していない石笛も音色の美しいものをたくさん持ちかえることができました。明石のN島さんにさしあげる「月光」の石笛。昔愛用していた石笛と同じ「蒼い音色」の石笛。「姫君が肌身離さず」という石笛は今回の旅で新しくえられた石笛のとらえ方になります。ノジュール石笛の音色が「金属色」のイメージで表現できることも「新発見」。まだまだ発見できることが多くて石笛の奥の深さに驚くばかりです。
一方25個の石笛を持ち帰りましたがヒビがないのはノジュールの石笛1個だけ!!
  白崎海岸や千葉県の産地ではヒビのあるものを探す方が難しいので、串本でヒビのない石笛を持ちかえるのがいかに困難か思い知らされました。あいかわらず喜々として「ダメ石笛」も拾ってきているし(反省)………
N島さんをはじめ「よい人」に「よい石笛」をさしあげるのがこれからの楽しみです。
つぎの「旅」は年末。どんな石笛とであうのかワクワクしますね(一人旅はもう充分)。









テーマ :
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

守山 鷲声

Author:守山 鷲声
1958年秋田市生まれ
「石笛仙人」で動画配信中
「さすらいの越天楽吹き」

「ドレミ音階」の横笛作家
いい笛をたくさん作って
悲しみ多きこの世界に
美しい音色を広げたいです
今年は少しスローペース?
めざせ月に2日の固定休!!

愛読書「口語訳古事記」
「梁塵秘抄」もなんとか読破
浮世絵(復刻)収集が楽しみ

笛の起源・クマバチ飼育・
縄文遺跡・山彦など研究

苦手なもの
電話・目薬・ラベンダー

還暦すぎて体はガタガタ
毎月の薬代>酒代なのが涙

貧乏人の愉しみは…
アホなこと言うて嫁さん
笑かすこと

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「笛の店 谺堂」から
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