イタドリの龍笛つくり③

いよいよ本物の龍笛とおなじ吹口の大きな龍パチをつくります。 材料は太くて肉厚なイタドリ。普通イタドリは肉薄なので貴重な材料です。肉厚なイタドリの根に近い部分でつくります。去年80本ほど集めて4本分しか採れませんでした。
材料の両端はノコギリ(ピラニアソー)で切りました。これなら龍笛を吹いている人にも見せられます。

◎吹口の成形
まず吹口を横笛より大きく成形します(写真)。横笛の音色・吹きやすさは吹口の成形で決まります。1100本の横笛をつくった職人の魂をこめて(おおげさな…)美しい形にしあげます。
龍笛の吹口 
中央が横笛タイプ

上のイタドリの吹口は上出来。下のイタドリは内径が細すぎて吹口が横長になってしまいました。






龍笛は演奏がむずかしい笛です。吹口が異様に大きいので、唇の押し込み方が「決まる」と教科書通りの音程が出ます。唇が決まらなかったり、おそるおそる吹くと調子外れになって音色も精彩を欠いてしまうのです。演奏方法もブレスで大きく抑揚をくわえます。
去年つくった龍パチ9号はまだ龍笛に不慣れで慎重に吹いたため、龍笛風に抑揚をつけると音程が跳ね上がって高くなってしまいました。
それをふまえての笛つくりです。

◎指穴の位置
これだけ吹口が大きいと指穴の位置も予想できません。龍笛(プラ管)と龍パチ9号を参考にします。筒音から一番下の指穴までが1音に近かったので、横笛用の指穴グラフも考慮して位置をすこし下にずらしてみました。


◎指穴をあける(2本同時進行)
昨日つくった龍パチ(横笛タイプ)と同じ要領。はじめに小さく削って瞬間接着剤をしみこませ、アートナイフと棒ヤスリで少しずつひろげていきます。今回つくる2本は、吹口の成形が完璧なものと横長のものがあります。
そこで出来の悪い方で指穴の位置をたしかめて、それを参考にしながらいい材料にも指穴をあけていきました。
最初に「位置をすこし下に」と予想したのがドンピシャ!!(写真参照)
一番下の指穴の位置が決まったら、のこりの指穴は「龍笛と同じ間隔」が目安になります。上から2つの指穴は吹口の大きさでずれることが多いので要注意。
最後に指穴の周囲を削って運指を滑らかにおこなえるようにします。


◎完成
龍笛タイプの龍パチ15号16号が完成しました。写真上から龍パチ9号15号16号、プラ管です。
完成した龍笛 
龍パチ15号はプラ管より吹きやすい笛になりました。音程も芝祐靖さんのCDにピッタリ。吹いていて気持ちいいです。これは「一生もの?」。3回塗装して吹口をみがけば完成。

イタドリの笛は生のままだと内部が荒れているので、一度塗装してから調律を再調整します。音程の低い指穴を削って、高い指穴には塗料を盛って指穴をせまくします。

16号は吹口が横長なぶん吹きにくくなってしまいました(無理もないデス)。塗装すれば演奏できると思うけど、15号があるので使わないです。


龍笛つくりはオシマイ。明日からはイタドリの篳篥「パチリキ」つくり。







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プロフィール

守山 鷲声

Author:守山 鷲声
笛仙人・石笛仙人
かつて「ヤッホーおじさん」

自然の竹から「完璧な音階」を生み出す研究の日々。
1本1本形が違って打ちのめされることも…

愛読書「口語訳古事記」
ライフワーク「越天楽」独奏
浮世絵(復刻)収集が楽しみ
読み切りで漫画家デビュー
(デビューしただけ)

笛の起源・クマバチ飼育・
縄文遺跡・山彦など研究

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