6月17日:琉球民謡の笛「有終の美」?

誤差のない完璧なドレミ音階」をめざして毎日笛をつくっています。

竹の笛で「完璧なドレミ音階」をめざすのはゴルフでホールインワンをめざすくらい偶然頼みなのかもしれない。
けれど守山は(ある程度選別した竹なら)材料にかかわらず「完璧なドレミ音階」にする「技術」があると確信しています。

その「技術」を完成させてプロの演奏家が喜ぶレベルの笛を安価で量産したいし…
和音階を蔑んだり「日本の笛はいいかげん」とかいう自称音楽家(音学家)を何人もみてきたので、いま篠笛を製作している次世代の腕のいい職人さんにも「完璧なドレミ音階」の笛を自在につくれるように「技術」を伝承したいと考えています。
(まず守山が生活デキルよ〜になってからね…)

その「技術」もあと一歩?

笛の完成度を野球でたとえると
①演奏上誤差がなくても計測すると誤差がある笛は…     「フェンス直撃」
②厳密な計測でも誤差がない笛は…             「ホームラン!!」
③さらに「吹口の栓(反射板)」を押し込める笛は…     「場外ホームラン!!!」


守山は全打席ホームランを狙っているのでオールスターの「ホームラン競争」と同じ。
このところ3打席連続「フェンス直撃」(悔しくて夜も寝られない?)。
今日つくったB−2000.3㎜だけ栓を押し込むことができた!!
 わずか0.3㎜でも技術的には革命的。

久々の「場外ホームラン!!!」



去年1年かけて琉球民謡演奏家さんと共同開発した琉球民謡の伴奏笛「」。
年間目標100本のうち63本完成したので、ずっと在庫薄だったけど落ち着きそう。

」の製作は秋までお休み。今年上半期の「有終の美」?


B−200 
完成したB−200


ちなみにチューナーは…
吹口の位置の微調整:BOSS  TU-12BW (感度が甘くて針がぶれない)
指穴の調律    :SEIKO  ST777  
 (1セント単位の調律ができる)
演奏時の誤差確認 :KORG  OT-120  (ドンピシャが見やすい)

と使い分けてます。

岡野弘幹さんの写真と笛吹神社の御札もあるよ(笑)。


ちなみに午前中は4月につくった笛の塗装。


日陰で塗装 
直射日光があたらないように陰をつくってます(守山は汗ダラダラ)










●「完璧なドレミ音階」の「2つの壁」
演奏する全音域で誤差がない笛には2つの大きな問題があります。
①2オクターブ目が低くなる物理現象「波長の減退」
②制御が難しい3オクターブ目


①「波長の減退」
ピアノは1音1音個別に調律します。誤差がでたら調律ミス
ところが笛は息の加減でオクターブを変えるので、誤差がでるのが「自然」。通常2オクターブ目後半が低くはずれます。これを物理学では「波長の減退」とよびます。
吹口につける反射板(栓)を離すと「減退」が大きくなります。素人さんが趣味でつくった笛の中には耳でわかるほど高音域がはずれた笛もあるんですよ。
そのためギリギリまで反射板を近づけたいのですが、近づけすぎると高音域が吹きにくくなってしまいます(ここが悩ましいところ)。
谺堂では反射板の形状を空気力学を考慮した特殊な形状にしていて、ギリギリまで反射板をつめても高音域が吹きやすい笛をつくっています(反射板の形は企業秘密)。
でも「ギリギリ」では余裕がないので最終的にはわずかでも反射板を離したい。
だから0.3㎜でも反射板を離せたら「場外ホームラン」。

もう一つ誤差を小さくするテクニックがあります
単純に「ドレミ音階」にするなら6孔で可能です。ただ6孔では「筒音」の誤差が大きくなるので、一番下に不要な穴を1孔あけて7孔にすることで「筒音」の誤差をコントロールできます。
多くの篠笛7孔になっていて、日本でも大昔からこのテクニックを共有していたのがわかります。

守山は「誤差のでない吹口の位置が絶対あるはず」と研究をかさねて2年前に発見。
反射板の位置」「7孔にする工夫」「吹口の位置」という3種類の技術を駆使して「完璧なドレミ音階」と戦っています。
(もう1つ難易度の高い「魔法」があるけど、あまりに難しすぎるので公開はまた後日)

②3オクターブ目のコントロール
波長の減退」とはウラハラに3オクターブ目は「高くはずれる」ことが多いです。
笛の音は内部にできる「」が回転する音です。「波長の減退」では「」が長くなって低くなります。3オクターブ目では「」が小さく高速回転するので、竜巻のように縮小して「高くはずれる」と考えています(20年間の研究結果)。
対処方法として吹口を大きくすると「縮小」を軽減できます。

ただフルートでも「Eの壁」と言われるように3オクターブ目の「」はでにくい音です。
竹笛でも正しい運指がでにくく6孔の笛で3割。7孔の笛では8割近く「」が使えませんでした。
6月になってから「波長の減退」対策として指穴の位置を微調整。
すると7孔の笛なのに「」が気持ちよくでます。現在7本連続で「」が出て、3オクターブ目の「」まで正確に演奏可能な「オバケ笛」になっています。

1本1本形の違う竹笛つくりの「技術」では「連続して可能」ということが重要。7本連続で「」が出るということは、3オクターブ目のコントロールに成功しているみたいです(ちなみに篠笛では「」は簡単にでますよ)。


●琉球民謡の伴奏笛の特殊事情
琉球民謡の演奏ではブレスの抑揚を多用します。そのため1オクターブ目後半が持ち上げられ、通常の調律をすると高くはずれてしまいます。そこであらかじめ1オクターブ目後半低く調律しないと、正確なドレミ音階で演奏できません。

①1オクターブ目後半を低くする調律②「波長の減退」が重なるので、2オクターブ目がガッツリ低くなりやすいです(涙)。
毎日のように琉球民謡の笛をつくっていますが「ホームラン」を狙うのは至難の業



あとは「3打席連続ホームラン」になれば「技術」は完成。
ほんとにあと一歩!!

(こういう話を篠笛ManiaXの岩茸さんやたぬ笛の田貫さんとしたかったデス)





B−200の製作ノート。
企業秘密?」といえば「企業秘密!!」(でも解像度が悪いんで読めない)
1200本の笛で、これだけ記録しているんですよ。



研究ノート 
「久々の場外ホームラン!!」「やったね!!!」とか書いてます(恥)





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プロフィール

守山 鷲声

Author:守山 鷲声
笛仙人・石笛仙人
かつて「ヤッホーおじさん」
今「さすらいの越天楽吹き」

「ドレミ音階」の横笛作家
人気の笛がずっと在庫薄で
週に7日間笛を作っています
年中無休の零細製造業
6日で7本作ると1日休み
貴重な休みは神社で越天楽?

愛読書「口語訳古事記」
浮世絵(復刻)収集が楽しみ
読み切りで漫画家デビュー
(デビューしただけ)
夫婦の合い言葉「今が底!!」

笛の起源・クマバチ飼育・
縄文遺跡・山彦など研究

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